アフリカンプリントの裏側 柄に込められた意味 Vol.3
こんにちは。
RICCI EVERYDAY The Hill (代官山直営店舗)メンバーの高槻です。
梅雨に入り、雨の日が多くなりましたね。みなさんのお気に入りの雨の日の過ごし方はありますか?ぜひ教えてください。
今回は、アフリカンプリントの柄に込められた意味の第3段をお届けします!
アフリカンプリントと言えば、言わずもがな、その鮮やかでパワフルな色味とデザインが目を引きますが、柄一つ一つに意味が込められていることをご存知ですか?
本日は3つの柄の意味をみなさんにお話したいと思います。
- 教室で学ぼう
- クラゲ
- ツブツブ
1. 教室で学ぼう
大きく描かれたアルファベットの文字が印象的な柄。こちらの柄は「アルファベット」とも呼ばれます。ヨーロッパによる植民地政策の中の「文明開化政策」の過程、識字運動の中で生まれたそうです。
ある宣教師が、アルファベットをワックスプリントに使うことを提案し、文字を習った第一世代はそれを歓迎したと言われています。
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彼らは、この布を通して、アルファベットの習得は新たにエリート層へ仲間入りするための鍵であることを見せつけたとも言われています。
アルファベットだけではなく、数字が黒板に書かれているような模様もあり、教室を連想させます。
色違いで印象の変わるアフリカンプリントはたくさんありますが、こちらの柄も、全く違う印象になりますね。
どちらの色が好きですか?ぜひ、教えてください。
2. クラゲ
クラゲのようにみえるこの柄、「ガルナの翼」とも呼ばれます。「ガルナ」とは、ヒンドゥー教の神の1つです。
実はこのアフリカンプリントは、インドネシア由来のもの。インドネシアから持ち込まれた後、アフリカでさらに独自の変化をした柄ともいえます。ガーナでは「バナナの房」と呼ばれ、トーゴでは「殻の外のカタツムリ」とも呼ばれるそうです。
3. ツブツブ
小さなツブツブしたものがたくさん描かれている「ツブツブ」。このツブツブは玄関の舗装用の石だともいわれています。
この石は、「あなたの身内はあなたに最も強い痛みを与えるかもしれない。それはときに鋭く、あなたを深く傷つける」という意味が込められているそうです。
また、よく見るとプリントのツブツブの中に「V」「I」「H」とも読める文字があることにお気づきでしょうか。
この模様は、HIVが広がったころには論争を巻き起こす種にもなったそうです。
こちらが拡大した画像です。確かに一つ一つのツブの中に文字が記載されているのがわかります。
アフリカンプリント・ストーリーはいかがでしたでしょうか。
代官山直営店舗には、アフリカンプリントにまつわる本もいくつか置いてあるので、ご来店の際に是非チェックしてみてください。
お気に入りのアフリカンプリントに出会えますように!
(参考文献)
『ワックスプリント 世界を旅したアフリカ布の歴史と特色』グロフィレー・アンヌ著 ダコスタ吉村花子訳 2019年 グラフィック社
https://www.bbc.co.uk/news/extra/4fq4hrgxvn/wax-print
https://www.vogue.co.uk/gallery/eight-stories-behind-traditional-african-wax-prints