6/20世界難民の日に考えたいこと
皆さん、こんにちは。RICCI EVERYDAYの仲本千津です。
6月20日は世界難民の日でしたね。日本ではほとんど認定されず、難民はそこまで身近な存在ではないかもしれません。
しかし私たちが活動するウガンダでは状況は異なります。ウガンダはアフリカで一番難民を受け入れている国で、現在までに150万人の難民が、ウガンダ国内に暮らしていると言われています。ウガンダが内陸国であり、コンゴ民主共和国や南スーダンなど紛争を抱えた国と国境を接していることが影響していると思います。
ウガンダ政府は、紛争の激化に伴い他国から流入した人々を受け入れる際には、自国民と同等な権利を付与する「オープンドアポリシー」を採用しています。移動の自由や社会保障を受ける権利、またビジネスを始める権利など、難民が不自由なく暮らしていけるよう、広く権利を認めているのです。
また難民を一時的に受け入れるということではなく、国内への定住化を推奨しています。そのため、難民が暮らすエリアを「難民キャンプ」ではなく「難民居住地区」と呼んでおり、ウガンダ国民が暮らすのとなんら変わらない環境下で、難民たちは暮らすことができます。
とはいえ、全く知らない土地で生活をゼロから成り立たせるのは、並大抵のことではありません。ウガンダ政府から与えられた土地が、石だらけ&痩せているために、農業をするのが難しかったり、これまで食糧支援を長い間受けていたけれど、昨今の国際環境の激変に伴い、支援を受けるべき対象国・地域が増加し、ウガンダ国内の難民への支援が打ち切りになるなど、難民を取り巻く環境は悪化しています。中には、ウガンダ国内での生活が難しいと判断し、自国に帰還する難民も出てきているほどです。戻ったところで、紛争が収まっていなければ安全に暮らすことは難しく、再び難民になる可能性もあります。
なるべく彼らがウガンダ国内にとどまり自活できるような体制をつくるため、国際機関や各国の援助機関、NGOは、現在さまざまなプロジェクトを展開しています。例えば農業の普及や職業訓練、スモールビジネスの展開支援などです。私たち民間企業も、マーケット探しやより品質の高い商品作りができるような技術指導といった分野で、関わっていきたいと考えています。
私が昨年現地を訪問した際に、難民居住地区の現実を見て気持ちが鬱々としていた中で、ひとすじの希望に出会いました。職業訓練所を自ら運営する難民女性が、「自分が運よく得られた技術を、同じように苦境に立たされている人たちに伝え、彼ら・彼女たちがちゃんと生活できるようにしたいの」と、強い信念と共に話してくれたのです。
自分だけが豊かになればいいということではなく、例え自分に対価がなかったとしても、どこかの誰かの生活がより豊かになってくれればそれでいいという“Pay it forward”の考えが、一人だけでなく、何人もの女性たちから感じられたのです。自分自身もまだまだ豊かな状況ではないにも関わらず、苦境に立たされた同胞のために動こうとしている姿に、私は感銘を受けました。そんな彼女たちの姿や想いを胸に、私も自分ができることをやっていこうと、心新たに前を向くことができました。
ぜひ皆さんも、世界難民の日をきっかけに、世界のどこかで、“Pay it forward”の精神で奮闘している女性たちがいることに想いをはせてみてください。
引き続き、RICCI EVERYDAYをどうぞよろしくお願いいたします。