World Women Creators 第二弾②:スリランカの女性たちが大事につくる、植物染のお洋服〜スリランカの自然からもらう色に魅せられて〜

皆さん、こんにちは。RICCI EVERYDAYの仲本千津です。


今日は、5月にRICCI EVERYDAYが新しく始めた企画、”World Women Creators”の第二弾についてご紹介します。この企画は、ウガンダやアフリカに限らず、世界中の手工芸に着目し、製品を通じてその美しさや作り手の生活ぶり、あるいはその国が抱える課題などを、より深く知ろうという試みです。特に女性たちが中心となって織りなす手工芸をご紹介していく予定です。


第二弾は、スリランカの女性たちと植物染のお洋服を紡ぐLAILAHさんをご紹介します。LAILAH代表の藤原響子さんに、インタビューさせていただきました。今回は3回シリーズの2回目です。


1回目の記事

World Women Creators 第二弾:スリランカの女性たちが大事につくる、植物染のお洋服〜ブランドが生まれるまで〜



LAILAHさんの特徴といえば美しい植物染ですよね

植物染は、植物のもつ色素と繊維が化学的に結びつくことで生み出される色であり作品です。製品として極力美しい状態を目指すとなると、正しい手順をコツコツ繰り返す必要があります。火と水と鉱物、そしてたった二人の職人の手。ゆっくりと染め重ねていく為、多くても一日に服二着分の布しか仕上がってきません。

お洋服作りはそもそも環境への負荷が高いものです。せっかく、スリランカという島で小さなものづくりをするのですから、スリランカの植物から色をもらい、一点一点時間をかけて作る、人々を今も癒すアーユルヴェーダの知恵を活かす。自然とそんなスタイルが見えてきました。植物の力を色に変え、お客様にスリランカの魅力や風土も伝えるきっかけにもなっています。




 スリランカの植物染は、お坊さんの袈裟などを染める文化からきています。ファッションとして一般の人が身につけることはほとんどないため、(藤原さん自身が)京都で習いながら、日本のマーケットに適する品質を確立するために、現地の女性たちに一から植物染の方法を教えてきました。同時に縫製のトレーニングも実施していたので、日本とスリランカを往復する忙しい日々を過ごしました。


植物染のコレクションは、染められる布の量からいって、少量づつしか制作できません。そのため、植物染ではない白や黒などベーシックカラーの素材も取り入れています。とはいえ、たった7人のスタッフが色を染め、ミシンをふむ小さなアトリエなので、年間に制作できる量に限りがあります。効率よりもスタッフ一人ひとりの祈りや温もりが伝わる作り方を大切にしています。縫製も、一人が一着を担当していますので、仕上がった服には名前が記されています。ぜひ探してみてください。

どんなお客様が手に取られるのでしょうか


LAILAHの服は、手仕事や植物染の美しい色、素材を心地良く感じてくださる方が手に取られます。化繊の静電気など素材のお悩みを持った方からの嬉しいお声もいただいています。


年代特有のちいさな悩みに寄り添いながら、揺らぎやすい大人世代の女性に品よくナチュラルなデザインを提案させていただいています。フェミニンさを忘れず、普段着にもオケージョンにも着られるもの、20代が着ても70代が着ても、その方の内面や個性と調和するタイムレスな衣服となるようデザインをさせていただいています。

またアクセサリーや小物使いで違った雰囲気で着こなしたり、他のお洋服と組み合わせてレイヤードを楽しんでいただくのもいいですよ。同じデザインでも、素材と色を変えて着丈を調整したりと、ご希望に合わせたカスタムオーダーもお受けしています。

昔から織物が好きなので素材選びも大好きな工程の一つです。布は緻密な仕事の上に織りたててあり、お洋服は完成品になるまでに本当に道のりが長いと実感させられます。社会的なメッセージを言葉にするのは得意ではないのですが、商品を通じて、「大事に作られたものを大事に選び、長く使う。」ということに繋がればいいなと思っています。


生産ロットに振り回されず、大量にストックを持つということからも離れ、一つひとつの製品に向き合うLAILAHらしいものづくりのあり方の中に、未来を形作っていきたいと願っています。

 


お写真のご提供:LAILAH